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日本軍暗号辞典 保坂廣志

日本軍暗号辞典

保坂廣志 編・訳 価格 1,000円(ダウンロード版500円) A5版 55頁
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暗号辞典

1944年9月に米陸軍通信安全局が編纂した『日本軍暗号辞典』、および旧陸軍参謀本部調製『暗号教範』の用語集を収録したもの。
難解な暗号用語を駆使して独自の運用をした旧日本軍の暗号。その理解に必携の書。

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まえがき

 図書館に入ると、総記(0類)コ-ナ-には百花繚乱の花のごとく辞典類が配本されている。ただいつ足を運んでも、人の気配が感じられないのは寂しいことだ。21世紀に入ってこの方、辞典類は電子辞書化に向かっており、大著な辞典類の閲覧は敬遠されるようになってしまったのかもしれない。筆者が編んだ『日本軍暗号辞典』も総記分類の範疇に入るものだが、類書と異なるのは収録数の差である。従来ならば、この種の小冊辞典が流通に乗ったり、図書館に収蔵されたりすることはまず無いだろう。電子書籍であるがゆえに、上梓できたともいえる。その意味で本書のような小冊本は、類書の電子書籍化に励みとなるであろうし、将来の電子図書館時代に向けてある種のヒントを与えるものになろう。
 本書は、多くの戦争記録が焼却され現存するものはないだろうと言われた陸軍参謀本部調製の『暗号教範』を掘り起こし、同書に記載された専門用語を中心に辞書を編んだものである。旧日本軍が使用した暗号は、乱数式暗号方式と呼ばれ、暗号組立に始まり翻訳(解読)まで人力により使用された。日本軍の乱数式暗号の考え方は、比較的容易なものだが、運用に際して幾重にも鍵を施したため、翻訳に際して不備が多かったといわれている。日本軍独自の暗号運用は、必然的に難解な暗号用語を生じさせることにもなった。ここから本書は、類書を読むにあたり多くの示唆と解読の緒口を与えることになるだろう。
 さらに本書では、1944年9月、米陸軍通信安全局が編纂した『日本軍暗号辞典』を翻訳・収録した。旧日本軍に関わる史資料・記録の多くは、米国に収録保管されており、暗号専門用語の英語バージョンは必須のものである。
 最後になったが、『暗号辞典』が編まれたとしても、肝心の本体である日本軍暗号に関わる史・資料の発掘は、決定的に遅れていると言わざるをえない。本書が、旧日本軍暗号を解明する手始めになれば幸いである。

著者紹介

  保坂廣志(ほさか ひろし)
   1949年 北海道生まれ
   1974年 東洋大学社会学部応用社会学科卒業
   1976年 東洋大学大学院社会学修士課程修了
   1988年 琉球大学法文学部講師(社会学専攻)、助教授を経て
   1994年 琉球大学法文学部教授(社会学専攻)
   2010年 琉球大学を退職
  現在、沖縄戦関係を中心とした翻訳業に従事
  著書関係
   (単著)『戦争動員とジャ-ナリズム』(1991年 ひるぎ社)
   (翻訳・解題)『沖縄県史 資料編2(琉球列島の沖縄・他)』(1997年 沖縄県教育委員会)
   (監修・翻訳)『米国が見たコザ暴動』(1999年 沖縄市)
   (解題)『沖縄県史 資料編12(アイスバ-グ作戦)』(2001年 沖縄県文化振興会史料編集室)
   (共著)『争点・沖縄戦の記憶』(2002年 社会評論社)
   (共著)『オキナワを平和学する』(2005年 法律文化社)
   (単著)『日本軍の暗号作戦』(2012年 紫峰出版)

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